【Sword-Small Devil-黒の短剣】Pendant Top

穴あき水晶

ブラックスピネル（オニオンカット）
ブラックスピネルメタリックコーティング（ミニボタンカット）
ガーネット（4mm丸玉＋ミニボタンカット）
オニキス（4mmカット丸玉）
レッドスピネル（さざれ）
ブラッドストーン（2mm丸玉）

こちらの作品はいつも制作している作品とは少し経緯が違いまして。
オーダーのお客様のご希望で、一度リテイクした作品になります。

先日のオーダー作品の黒騎士の剣を制作した後に、作り直しのご希望がありましたので、一度リテイクした後に、お客様に改めて2作品をどちらか選んで頂く形になりまして。

お客様からは、もう少し装飾を減らしてシンプルにしてほしいとのご希望がありましたので、その範囲内でもう一つ作り直しいたしました。

その後、やはり最初に作った作品の方が良いとの事でしたので、こちらは委託用として出そうかなと思ったんですが。
諸事情ありまして、現在お店が休止中ですので、この際、せっかくなので、デザフェスにも持って行こうかな？と思っとります。

私の作品の中では珍しく、小さいながらも悪魔のイメージの剣ですし。
悪魔モチーフてのは、ほとんど作った事無いのでw
是非実物も見に来て頂けたらと思います。笑


て事で、お客様のリクエストは、黒騎士の剣よりも、下の装飾を抑えてシンプルに。
そしてサイズも小さくとの事でしたので、石はほぼ黒騎士と同じセレクトなんですが。

実は配置もイメージも全く違う出来上がりになりました。


出来上がってみると。




小さな悪魔の短剣。

刀身の水晶ポイントは、産地がわからない小さめのものなんですが、なるべく形が綺麗なものを選びまして。

銀色のワイヤーで描いた短剣の柄の部分から、ギロリと睨みをきかせるような、悪魔の瞳。

鋭く、深く、そして若々しい。
漆黒の闇のブラックスピネルのオニオンカットと、ブラックオニキス。
そして、ガーネットやレッドスピネルの赤色が脈打つように、交互に彩られてゆく。

ダークで少し荒々しい雰囲気もありつつ、その反面、小さいので何処か可愛らしいというか。
ヤンチャな感じといいますか。

オーダーの作品の黒騎士の剣は、包み込んで守る。凛々しい大人の騎士！というようなイメージだったのなら、こちらは、姿は小さいながらも睨みをきかせて、魔を寄せ付けないようにする。

という感じでした。

こちらの作品も、リテイクの作品ですので、魔除けの要素を意識してますし。テーマ的にも、守るとか、魔を寄せ付けないとか、そういう感じなんですけども。

単純に、毒を持って毒を制する的な、一筋縄ではいかない感覚はしますし。悪魔の守り方というのは、天使とは違って、やっぱり独特なんだろうなぁとか思うんですけど。

しかし私は、たとえ見た目が悪魔であっても、何処かで愛（？）のような心の繋がりがあると良いなぁーなんて思ってしまうのでww

その剣から浮かんでいたイメージは、嵐の二宮君が演じるポッキーのデビルニノwでした。





悪魔の心と、ポッキーを分け合う時の暖かさにいつも戸惑う複雑な気持ちww
そのテーマが、この短剣にはピッタリだなぁとか思うんですけども。

ツンデレぽい男性の悪魔な感じといいますか。
普段はツンツンしてても、実はちゃんと守ってくれるし、やっぱり、なんだかんだ言いつつ、持ち主さんの事好きなのね。大切なのねw

て感じがします。www

その眼力で、魔を払う。
持ち主を守る、守ろうとする事。

そこに、代償や契約ではない、心の繋がりがあるのだと、信じたい。

だけど、この短剣は、悪魔の揺れ動く心も表してるのかなと思います。

小さいが故に、揺らぎやすく。
黒騎士ほどには、強い決意など無いのかもしれない。

でも、ポッキーのＣＭの、デビルニノのように。
なんだかんだ言って、悪い事はできず、結果的に良い事しちゃったり、ポッキーを分け合ってしまうような感覚でw

その、瞬間に生まれる、心の繋がり。不思議な暖かさ。

これは、そういう関係を深めていくというか。心を育てていく過程というか。





少し古い漫画ですが、うしおととらという漫画が私は大好きでして。

主人公の潮と、妖怪のとらは、最初から仲が良かった訳じゃなく、様々なエピソードを通じて、本当の意味での心の繋がりが生まれてくるんですよね。

最初は喧嘩したり、仲が悪かったりしていたものの。次第にお互い、相棒という関係になっていき。

妖怪であるとらは、いつか潮を喰ってやると言い続けるんですが。
その言葉は、実は愛情の裏返しの言葉でもあるんですよね。

最後の最後の戦いの果てに、消えそうになったとらに、自分を喰え！と言う潮。

なのに、妖怪であるとらは、
もう喰ったさ。腹ぁいっぱいだ。

と、何も食べてないのに、満足げに笑いながら消えてくんですよ。

この、お互いの信頼関係や、相棒という関係性は、最初から在るものではなく、徐々に培ってくものだと思うんですよね。





悪魔だろうと、妖怪だろうと。

契約ではない、利用される関係ではない、信頼や、愛する気持ち、繋がりがあるのだとしたら。

この小さな剣は、既に完成された心の繋がりを維持するものではなくて。

これから、相棒という関係性を培ってく為の、キッカケの剣というか。

悪魔としての冷酷さ、裏切る事、計算高く他人を蹴落としてくような、冷たい部分しかなかった、悪魔の自分に。

こんな気持ちがあったなんて。

そんな風に、揺らいでゆく。
暖かな想いの方が、やがて大きくなってゆく。

持ち主との関係性を経て、繋がりを経て、悪魔らしからぬ、悪魔になっていく。頼もしい相棒になってゆく、過程を表した剣のような気がします。w

鋭い眼光。
何者も寄せ付けぬ漆黒の瞳の奥に、隠されている気持ち。

こらから、培ってくもの。
小さな、悪魔の。

黒の短剣。