【Hand Mirror of Magic-魔法の手鏡-】Pendant Top

 






シトリン （母岩付き原石カット）

フローライト（6mm丸玉）
ガーネット（4mm丸玉＋ミニボタンカット）
アメジスト（ミニボタンカット）
ピンクサファイア（ミニボタンカット）
琥珀（さざれ）


委託用作品No.37号！



意外と原石タイプもイケるかもしんないな。

もりっと母さまからお預かりしたモルダヴァイトを巻けた経験を生かして←
そんな風に思った直後、ちょーど石屋さんでこのシトリンを見つけました。


たぶん、母岩付き（？）というんですかね。裏側が母岩が透けて見えてるシトリンでして。
母岩付きな割に、何故か六角形にカットしてある、不思議な石で。

そこそこ、厚みもあり大きめな石なんですが、巻きやすそうな形状でしたので、今回もペンダントで挑戦してみました。


シルバー色のワイヤーだけで作ろうかなとも思ったんですが、シトリン自体の色が薄めで、向こう側が透けているもんで、シルバーだけだと、すごく薄い印象になってしまう気がしたので…。
ガンメタワイヤーを途中から混ぜて、レトロな枠組みのようにしてみました。

土台はこんな感じです。








母岩のついてる裏側はコッチ。
巻いた後なのでわかりにくいですが、六角形です。






それから、石を盛りました。







出来上がってみると。


魔法の手鏡。

そんなイメージが浮かんでいました。

例えるなら…秘密のアッコちゃんの、魔法のコンパクトに近いかなと思うんですがwww

テクマクマヤコン…と呪文を唱えると、好きな姿に変身＆大人の女性になれる魔法のコンパクト。

だけど、この作品は、そんな秘密のアッコちゃん的な雰囲気がありつつも＋同時にレトロな感じというか。大人びた感じがさらに強くなってます。

まるで…子供の頃に大切にしていたその手鏡を、ずーっとしまい込んで忘れていて、大人になってから、ふと見つけるような。

手にとった手鏡は、新品だった頃の面影はなくなって、少し古びてしまったんだけど…。

あの頃と変わらずそこにあった手鏡。

それは、もはや子供の為の魔法のコンパクトではなく。

大人の為の、魔法の手鏡に変わっていた。






これは、ただのイメージというか。
比喩なんですが。

きっと、その手鏡の魔法は、子供から大人へという作用が逆になってるんじゃないかなーとか思いました。

それは、子供の頃に好きだったものを思い出すような。

憧れていたけど、子供だから出来なかったり。
親からダメと言われて、やりたいのに、させてもらえなかったり。

あの頃欲しかったもの、やりたくても出来なかったことを諦めて……。
そのまま、大人になるにつれ、徐々に忘れて心の奥底にしまいこんでた。

そんな…懐かしい記憶や、思い出が蘇るような。その瞬間、子供の頃の気持ちに戻るような。

そんな…変身、魔法の手鏡なんじゃないかなーとか思いました。


思い出してどうすんだよ？！←

と思う方もいるかもしれませんがw

子供の頃にやりたかったもの、憧れていたものって、実は忘れててもずーっと残ってるものだと思うんですよね。

ふとしたキッカケで。

そういえば、私子供の頃にこんな事がやってみたかったわ。

と、思い出して。

そうだ…大人になった今だからこそ、出来るかもしれない。

と気がつくというか。

それは、子供の頃からの憧れを、自分自身で改めて叶えてあげられる事で。
それって、自分にとってもすごく大きな事なんじゃないかなーとか思います。

特別な事じゃなくても、子供の頃のそのままの願望じゃなくても、形が変わってしまっても。

身体はどんなに大人になったのだとしても。
子供の頃の、あの頃の気持ちのままの自分がいる。

そんな子供の自分と一緒に、夢を叶える。


そんな感じのイメージが浮かんでました。






そして、もう一つ感じたのが、

映画のネバーエンディングストーリー2に出てくる魔女サイーデが持ってる、思い出マシン。w（これも子供の頃見たので記憶が曖昧ですが）

この辺の雰囲気もあるよなーw
とか思ったんですが。
ネバーエンディングストーリーに出てくる思い出マシンは、

本来は

バスチャンがアウリンに願い事をする度に、ひとつずつ、大切な記憶が失われていく。

そんなマシンなんですよね。


だけど…この作品では、この思い出マシンとは逆のイメージというか。

大切な思い出、記憶。

大人になるにつれ、何かを叶えるにつれ、ひとつずつ無くしてしまってた。忘れていた何かを思い出す。

それを表すかのように、紫色のフローライトは、記憶の玉のように見え、シルバーワイヤーは、その記憶の玉が、こちらへと流れてきそうな感じがします。


余談ですが、

実際、私の場合は、ちょっとした事で、子供の頃こうだったなーと思い出す事って多くて。
特に、ワイヤーの作品を作る時など、忘れてたけどこんなの好きだったなーと思い出す事も多いです。

しかも、子供の頃にワイヤーワークなんて知るわけ無いし、それをやりたいなんて思ってた訳じゃないんですが、天然石が好きだったり、宝石の図鑑を眺めてたり、ファンタジーなグッズが欲しかったり。

そんな、子供の頃の思い出、何気なく好きだった事が、形は変わっても交差していたのに気づいたりすると。
思い出してちょっとビックリしてしまうというかw

そんな感じで…やっぱり子供の頃の自分と大人の自分というのは、何処かで繋がってるんだなーと思います。

だから、大人になって成長したから、無くなってしまったんじゃなくて。
きっと見つけられなくなっただけで、何処かに隠れているんだろうと、そう思います。








何時の間にか仕舞い込んでいた手鏡を手にとった瞬間。

子供の頃の自分が映し出された。

憧れの眼差し、情熱。
あの頃、夢中になっていたもの。

忘れていた、大切な何かが溢れてくる。

今からでも…あの時やりたかった事を、やってみようか。

ありありと映し出される、あの頃の自分と重なって。

今だからこそやりたいと。

そう呟いた。


そんなイメージの作品なのかなーと思います。