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【白龍刀-浮雲-】ワイヤーソード

2014年7月22日火曜日

ショップ販売用作品-武器-

t f B! P L

コロンビアレーザー(水晶ポイント)
レインボームーンストーン
(ホワイトラブラドライト)(ラウンドカボション)



新館用作品No.4!

ピアスを続けざまに作った後に、突然、刀を作りたくなりました。

実は、コロンビアレーザーという名称で一つだけ仕入れた水晶がありまして。ものすごく細くて長いポイント。

私が今までで見た中では、なかなかお目にかかれないサイズでして、これは絶対に、剣ではなく刀を作る時に使おう!と思ってました。

しかし、刀というのは、剣とは違って装飾するのがとても難しいシンプルな作りですし。
日本刀とかをワイヤーで表すのはかなり難しいなぁと思ってまして。
仕入れたはいいものの、それから半年以上もの間、なかなか作れませんでした。

しかし、ここ半年ほど、剣を作る事に関して、個人的なスパルタもありまして。笑
私の中で、ひとつ何かが吹っ切れたタイミングで。
何もかもを切れそうな鋭いイメージの刀というのを、作ってみることにしました。

土台はこんな感じです。









これだけで、もうワイヤーだけでもバッチリイメージが固まってますし、石を盛らずにこのままでも良かったんですが。

ここまでだと、どうしても枠組みだけな感じだったので、ダルマに目を入れるように笑
石を中央に組み込もうと思いまして。

色の無い、ホワイトラブラドライトのラウンドカボションを取り付けてみました。







出来上がってみると。


とても細長いコロンビアレーザーポイントは、先端に小さな欠けこそありますが、透明感もあり、まさに刀のイメージにピッタリでして。
私が今まで作ってきた剣や刀の中でも、ピカイチに鋭い刀身をしています。

そのイメージを崩さぬよう、アーティスティックワイヤーの、シルバーカラーと、角線を混ぜて、日本刀の柄をモチーフに、作っていきました。

最初に固定がてら巻いていたワイヤーの芯は、わざわざ刀のような装飾を作り、それを柄に見たてていたんですが。
その後にうねるような銀色のワイヤーが、どんどんと重なり合ってゆきまして。

まるで、白い龍が刀に巻きつき、絡みつくような姿になってゆきました。

レインボームーンストーン(ホワイトラブラドライト)を入れる前の土台の段階では、日本書紀や古事記に出てきそうな、日本古来の神様のイメージや。
その時代独特の、髪を結った人の姿を感じていまして。

もしかしたら、この作品のイメージの白龍とは、古来から存在していた龍さんなのかもしれません。

そしてこの作品では珍しく。

作っている途中に、ふと。
その白龍さんに話しかけられたような感覚がありまして。
こんなセリフが浮かんでいました。


ーー汝、形無きままに、その形を示せ。ーー


日本刀という形に、囚われるな。
龍という姿に囚われるな。

在るべき形というものに、囚われるな。

本来は形の無いもの、見えないものを表そうとし、形を与えているのならば。

"形"に囚われてはいけない。


そんなイメージの言葉だったのですが。

不思議と、龍やドラゴンの作品を作る時は、これと似たような感覚や言葉を感じる事は多いです。






龍というイメージ、一般的なイラストや、絵や映画、アニメなどに描かれてるような、そういう姿に囚われてはいけない。

そういう姿でなければいけない、と囚われるな。

現実に存在している形では無いものを、表そうとしているのだから。
この姿が正解なんてものは無いんだよ。

お説教のような、教訓のような。
方向性、特に意識する部分を言われていたのかもなと思うんですが笑







この、白い龍が巻きついた刀。

よくよく見れば、柄の部分は、龍の姿が隠されていまして。

東洋龍の細長い形の、銀色の龍の体や、顔などが、見る角度を変えるたびに所々浮かび上がっています。

しかし、それらはポイントを定め、見ようと思えば見えるけれど。

全体的に刀として見れば、その白龍の姿は消えて、ただの一振りの刀になってしまう。


それはまるで、雲を掴むかの如く。

掴めないものを、掴む刀。
切れないものを、切る刀。

白龍刀-浮雲-

と、まるでゲームかアニメで出てきそうな厨ニな名前が浮かんできました。笑







そして、中央に配置した、レインボームーンストーン(ホワイトラブラドライト)のラウンドカボション。
小さいですが、高品質のものを使用しましたので、透明感があり、ブルーの美しいシラーが浮かびます。

まるで、白龍の瞳のように。
向けられる眼差し。

しかし、それもすぐに、白き雲に隠れてしまう。

雲間から見える薄っすらとした空色を、龍の瞳にに見立てているようなもの。

青空に浮かぶ、雲を繋ぎ合わせ。
雲でできた強大な東洋龍が、地上の私を見下ろしてくるようなもの。


そして、もうひとつ強く感じたのが。


ものすごく鋭く、早く、何でも切れる刀のイメージでした。






これは裏側の写真ですが、水晶の根元が見えるようにして、裏から微かにカボションが見えるようになってます。


実は、私が水晶で制作する剣のイメージは、切れる剣ではなく、切れない剣をイメージすることが多いのです。

それは、私自身が切れる剣というものに、ずっと抵抗感を感じていましたし。
美しい装飾をして、飾り付け、切る事には使わない剣、というのをコンセプトにしている所もありました。

これは、例えば、るろうに剣心の、逆刃刀のようなイメージで作ることが多く、剣というモチーフは、それだけ血を流すもの、戦うもの、切るためのもの。
という、ネガティブな側面も併せ持ってますし。
私の中で、剣とは、その強さや切れ味をもしも自分でコントロールできなくなってしまったら、簡単に何かを傷つけてしまえるものに見えていたからなんですね。

なので、例え水晶の置物であったとしても、切れそうな剣を作るというのは、とても抵抗があるものでした。


しかし、今回作ったこの刀は、違います。

外側に見える、龍というモチーフを一旦離れると。

ある一人の男性が浮かびました。

銀色の長い、長い髪の毛を束ね、絡みつき、巻きつくような柄。
長く、細い水晶ポイントの刀身。
氷のように冷たい瞳
色素がほとんど使われてない無い姿。

この刀のもうひとつのモチーフ、制作中に浮かんできたのは、FF7というゲームのキャラクター、セフィロスと、愛刀、正宗のイメージでした。

刀も、そしてセフィロス自身も、誰よりも強く、鋭く。
英雄と呼ばれるほどのピカイチの強さを誇りますが、自身の出生の秘密を知ったことで豹変し、破滅の道を進んだキャラクター。

凄まじい強さを得るということ、切れる刀を持つということは、そのまま、自分自身の行動を問われ。
その強さで、何もかもを突破し、破滅へ突き進む事だって可能になります。

だけど、その強さに追いついてゆかない、心の弱さを抱えれば。
簡単に強さを外に向け、破壊してしまえるほどの、危うさが常につきまとう。

ですから、この刀は。

なんでも思い通りに切れる刀ではなくて。

切れないものを、切る刀であり。
掴めないものを、掴む刀です。


空の雲のように、曖昧で形の無いものを、鋭く切り裂き。
空の雲のように、本来は掴む事のできないものを集め、握りしめる。


強さの、その先にあるもの。
切れ味や鋭さの、その先に見えるもの。

何かを倒す、何かを切る、横に並ぶ者の無いほどの強さを目指す。

その、さらに奥にある大切なもの。

守りたいものは何なのか。
本当に、大切なものは、何なのか。

そういうものを、見定める刀。

だからこの刀は、鋭さも、切れ味も、強さも必要でして。
最初から弱いままなら、気がつかなかった事なのかもしれません。

そこまで辿りついたからこそ、見えてくるもの。

そして、白龍が指し示すものは、そこで留まらず、その先が必要になるということを表していると思います。

それは、突き詰めてゆくと、どんどんと内側の、心の問題になってゆくのかなと思うんですよ。

掴めない、切れない雲というのは。
まるで、心を表しているような感覚で。

自分自身の心でさえも、簡単に誤魔化せ、霧散させ、姿を消して、気がつかなくさせてしまう。





本当に大切なものを、忘れないで。
己の強さの中に、埋れさせてしまわないで。

白龍と、そしてセフィロスというキャラクターから浮かび上がるのは。

ストイックで突き詰めるような強さと共に。
それを、必要とあらば、全て手放してしまえるような、潔さ。

形に、こだわらない。
強さに、こだわらない。

固執しない。

本当に大切なものは、形では無い。
強さではない。

なら、本当に求めているものは、何?


ーーお前のその胸の中に、既に答えはあるだろう?ーー


形無きままに、その形を示せ。

白龍刀-浮雲-


















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