タイトルのテキスト
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【Wand- Angel on ice -薄氷の杖-】

2014年11月13日木曜日

ショップ販売用作品-不思議な道具-

t f B! P L


ハーキマーダイヤモンド(原石)
穴あき中国産水晶ポイント
ムーンストーン(カボション+4mm丸玉)
レインボームーンストーン(ホワイトラブラドライト)(宝石質ドロップカット+宝石質カボション)
水晶(穴あき氷柱)
ラブラドライト(さざれ)
ホワイトトパーズ(ミニボタンカット)
水晶(ミニボタンカット)
アクアクリスタル(ミニボタンカット)
モルガナイト(6mm丸玉)



新館用作品No.25号!


でっかい剣に引き続き、でっかい杖も作りたくなりまして。笑
手持ちにハーキマーダイヤモンドの、綺麗な大粒のものがありましたので、これを使って久々に大きなワンドを作ってみましたー。(つ∀`*)

作る時から、これはシルバーカラーワイヤーのみで、白いワンドだな!
と思ってましたので、
ハーキマーの形をそのまま活かして先端に取り付けるのにちょっと苦労しました。w
そしてかなり綺麗なムーンストーンのカボションも最初に取り付けまして。
土台はこんな感じになりました。






ここから、さらに白さをアップするべく、なるべく透明感のある石をメインにして、石を盛っていきました。

出来上がってみると。





薄氷の杖


眼前に広がるのは、湖面が凍りつき、白い雪が空からチラチラと降り積もってゆく、広大な湖。


寒さに震えながらも、意を決するように。

踏み出そうとした、その一歩。

それは大地を離れ。
美しい湖の氷上に、一時身を預ける決意の証。

身体の重みに耐え兼ねて、湖の氷が小さな悲鳴を上げてゆくよう。
パキ、パキと氷のひび割れる小さな音が、何度も心に突き刺さってゆく。


一度でも、足元の氷が割れてしまえば。
私は、深く冷たい湖の底に落ちてしまうのだろう。

寒さに震える身体。
元居た岸が遠ざかる毎に、恐怖が徐々に加わってゆく。

これ以上、先へと進めば進むほど。

もう、戻ることはできなくなるだろう。


・・・・・・何を、今更。

既に、踏み出してしまったのだから。


白い雪と、広大な広さに隠れ。
見えない湖の向こう岸へと、たどり着くまで。
進み続けてゆくしかない。

それなのに。

しんしんと降り積もる雪が。
吐息の白さが。

音と視界を無くしてゆく。

パキッ。

踏みしめる氷のひび割れる音でまた、
心が現実に引き戻され、折れそうになる。

もう、どこに足を踏み出せばよいのかすらもわからない。

永遠とも思える時間。
向こう岸など、遥か彼方。

刻々と、時が過ぎる。
心まで、凍りついてしまいそうな。

孤独な銀世界の中。

冷たく美しい氷の上で――。






大粒のハーキマーダイヤモンドを杖の先端に、アーティスティックのシルバーカラーワイヤーを使用して、原石の形を活かして、先端がなるべく、綺麗に見えるように。
ガチガチに固めないようにがんばって固定してみたんですが。笑

それがまるで、凍りついてしまった、美しい湖の氷を削り取り、杖の先端にしたような感じがしました。

粉雪がキラキラと舞い、湖の氷の上に降り積もってゆく。

雪の結晶がキラリと輝くような、ラブラドライトのさざれや、ホワイトトパーズ、アクアクリスタルの透明感のある小粒の石を散りばめて。

ワイヤーで作った羽の装飾に、穴あき水晶氷柱や、ホワイトラブラドライトの宝石質ドロップカットなどを挟み込み、全体的にも白や、透明感に拘った配色の杖にしてみました。

反対側の先端に付けた、中国産穴あき水晶ポイントは、あえて黒のインクルージョンが入ってるものを選びまして。
自然に泥や土の砂粒が混じったような、氷のイメージ。

そこに取り付けたモルガナイトの6mm丸玉。モルガナイトはもう少しピンクがかってる粒もありますが、ちょっと白っぽい色のものを使用しまして。
見た目は冷たい雪玉のようでありながら、内側には愛情や暖かみのようなものがプラスされてるように感じられるなぁと思いました。

そして、さらに。

杖の透明感をさらにアップさせるように。
中央あたりに、小さいけれど、美しい青いシラーのでる、宝石質のホワイトラブラドライトを配置したんですが。







これがまるで、極寒の中。身を切られるような冷たい世界の中で感じられる、美しいもののようで。

月夜に照らされて輝く湖の氷のようなイメージでした。



実はこの杖、反対側から見ますと、ハーキマーの氷の上に佇む、羽を広げた天使の姿に早変わりしまして。

ムーンストーンのカボションは、天使の顔の部分のようにも、冷たい、孤独な氷の世界から貴方を守る、小さなシェルターのようにも見えます。


氷上の天使。

それは、空から舞い降りてくる天使
という意味合いもありながら。


凍った湖の真ん中にポツンと存在する、氷でできた彫像の天使のようにも感じたんですよね。

その氷の天使が両手で差し出すように持っているのは、キラキラと輝く銀色の、薄氷の杖。

薄氷を履むが如し

という風な、最初の方で上に書いた物語のように、凍りついた湖の上を歩いてゆくようなシーンと。

天使の像が、杖を持っているイメージ。

これは、私の勝手な解釈ですが。

凍った湖の上を歩く、というのは。

大地や地面を歩くのと違って、滑りやすいし、転びやすいし。
もしも氷の薄くなっている所に乗ってしまえば、たちまち氷はひび割れ、落ちてしまう。

そういう危険に晒され、恐怖に囚われてしまいそうになる。

これって、ある種の大きなチャレンジだったり、大きな試練や、転換期だったりと。
いつもの状況下ではない、ちょっと(かなり)ピンチな状態にあることだと思うんですよね。

だから余計に慎重に、慎重に歩こうと思うんだけど。

例えば、立ち止まって安全な道を探し、眺め、考えたとしても。

どこに足を踏み出せば安全なのか、なんてことは判別できない。

そして、わからないから、と一つの所にとどまり続ければ。

たちまちに、雪が身体の体温を奪い。
刻々と体力を奪ってゆく。

立ち止まりつづけることはできない。
どうにかして、進まなきゃいけない。

そんな大きな試練の中で。

たった一歩、足を踏み出し、前に進もうとするだけでも、勇気が必要になる。

そんな風にして、少しずつ進み続け、積み重ねていった先。

今だゴールの見えない、氷の上を歩き続けていった先に現れる。

不思議な氷の天使と、銀色の薄氷の杖。


どうにも、私にはこれ、ナビゲーションシステムのようなものに感じられまして。

一歩、踏み出す場所を間違えば、氷がひび割れ、落ちてしまう。

そういう緊張感の中を進み続けることで得られる直感的な何かを形にしたような杖なのかなと思いました。

そしてこれは現実的に危険な場所に居るかどうかという意味ではなく、内面世界とか、内側の心象風景のようなものなのかなと思うんですよね。

氷が割れて落ちてしまうというのは、気持ちがそこに囚われてしまって、なかなか浮上できないとか、進む気持ちがなくなっちゃうとか、やる気を無くしちゃうとか。

そういう感じなのかなぁと思ったんですよ。

氷の上という、滑りやすく、転びやすくて、グラグラしていて。
安定しない場所で、落ちないように安全に歩くことができる、導きの杖。

安全なルートを指し示すもの。

それは、なんだかRPGゲームとか、ドラクエのイベントでありそうな感じだなーww
と思ったんですけど。

杖を手にする為には、いつ割れるか
もわからない、危険な氷の上を歩き続け、凍った湖の真ん中まで行かなければならない。

なんて。
それは、本末転倒というか。とても矛盾してますので。

この杖を手にする為に、ただ安全な所に居られればいいという目的では、この場所まで来ることはできないと思いますし。

それ自体には、あまり意味のない事だと思ったんですよね。

杖があろうと無かろうと
目的はその先、湖の向こう岸にこそある。

その途中の道で、ふと気がつくもの。

何かに、委ねるような気持ちが、目指す方向が、光が見えてくる瞬間。

なので、この杖は、意味合いこそ、転ばぬ先の杖という感じで、安全なルートを指し示し、次に行くべき一歩を導くイメージなんですが。

がんばってー!と応援してくれたりだとか、心に寄り添ってくれるとか、そういうケアをしてくれる感じではなく。

ある意味で、車のカーナビみたいに機械的で、あくまでサポートに徹するようなものなのかなーなんて思いました。







これは何回も書きますが、私の作品は、効果のあるものという訳じゃありませんので。
あくまでこれは、この杖から感じるイメージになるんですけども。


雪の降りしきる中を。

オーロラが煌めく夜の中を。

何度も湖の氷がひび割れ、落ちそうになりながら。

太陽が僅かに差し込んだ瞬間を捉えては、新しい道を探して。

この厳しくも美しい銀世界を歩き続けていた。



ふいに、雪が止んで視界が開ける。

美しい氷の彫像。
煌めく天使の翼。

まるで私に手渡すかのように。

両手で差し出すように持っていた

美しい銀色の、薄氷の杖。


――待っていましたよ。

この湖の氷の上を勇敢にも歩き続け、ここまでたどり着いた貴方へ。

私はどのような状況下でも、最善の道を指し示す、天使。
この先を進む為には、必要になることでしょう。

ですが、実際にこの先を歩き、進むのを決めるのは、貴方。
その勇気が無ければ、いくら私が道を指し示した所で。
望みの場所へ到達することは、できない。





だからこそ。
貴方にその決意がありつづける限り。


私も共に。

貴方の望むその場所へ。

常に道を指し示し

導いてゆきましょう――。


励ましでもなく、優しい言葉で慰めてくれるわけでも無い。

この先の道も、同じように、湖が凍りついた氷の上である事に変わりなく。

天使の羽で、向こう岸へとひとっ飛び!なんてコトにもならない。

今までと同じ、ただ歩き続ける事に変わりないのだから。

だけど。

受け取った薄氷の杖をかざして。

光の導きに委ね。

己の行くべき道を、定めてゆく。

まだ見えない、湖の向こう岸。

目的は、何も変わってない。

だけど、手探りで進んでいた時よりもはるかに心強く。

前よりもずっと、力強く。

私の心の中さえも輝くように、光が差し込んでゆく。


そうだ。
これからも、前へと進み続ける。

銀色に煌めく杖を、強く握りしめて、前を向いた。

氷の天使と。
この、薄氷の杖と共に。

Wand- Angel on ice -薄氷の杖-









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まだ石の種類も少なめですが、少しずつ増やしていこうと思います♪
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